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いわゆる熟年離婚の年金分割

 離婚時の年金分割については、現在では制度が広く浸透してきており、これを離婚の際に決めておくのがスタンダードになっています。

  離婚時の年金分割は、婚姻期間中に夫婦二人が納付した厚生年金の納付(厳密には納付実績)を離婚時に一定の割合でわける制度です。広い意味での財産分与の1つといえます。

   したがって、通常は

 「婚姻期間が長い」夫婦(いわゆる熟年離婚の場合)
 「いずれか一方に収入が偏っている」夫婦(例えば、夫が会社員で、妻がずっと専業主婦の場合)

  ほど、年金分割の問題は重要となります。

 熟年離婚の場合、すでに一方又は双方が、年金を受給開始しているケースもあります。
 何らかの事情で、別居はしているけれども、戸籍上は夫婦のままという場合もありえます。

 そのような場合、年金分割のことを知らないと、一方がずっと低い年金のままで不平等な状態となっていることもありえます(婚姻費用がきちんと支払われていない場合にはなおさらです)。

 一方が死亡すれば遺族年金(遺族厚生年金)が入ってくる場合もありますが、いつ配偶者が死亡するかはわかりませんし、遺族年金(遺族厚生年金)の受給には様々な要件があり、配偶者であれば必ず受給できるとは限りません。

 したがって、熟年離婚をお考えの方は

(1)年金分割
(2)(離婚せず婚姻を継続するとして)遺族年金の受給見込み
(3)(離婚せず婚姻を継続するとして)婚姻費用の請求額

 の3つの観点から、どのような手段を選択するのが合理的かということを考える必要があります。

 もちろん、離婚する/しないについては、上記の点以外のことも考える必要があります。
 (例えば、住宅をどうするか、そもそも気持ちの離れた相手と夫婦という形式を維持するのか・・・など。)

 当事務所では、離婚の相談は初回1時間無料ですので、ぜひご相談ください。
 相談者のお立場に立って、アドバイス致します。

(一由)