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長野県子ども支援センター開設… 2015年5月

平成27年4月1日に,「長野県子ども支援センター」が平成26年7月に制定された「長野県未来を担う子どもの支援に関する条例」に基づき,開設されました。  

 長野県子ども支援センターは,県内の子ども相談窓口の中心的な役割を担い,児童相談所,学校生活相談センター,チャイルドライン・CAPなど民間団体,市町村相談窓口とそれぞれ連携することを目指しているそうです。
 子ども支援センターには,子どもの様々な相談及び保護者の子育て等の相談にも応じる窓口が開設され,電話やメール,面談で相談することができます。
 以前から「子ども権利支援センター」という名称で子どもや保護者からの相談を受け付けていたようですが,子ども支援センターでは,月曜から土曜までの無料の子ども専用の相談ダイヤルが常設されました。新聞報道等によれば,4月のセンターへの相談件数が23日間で197件だったそうです。このうち,子どもからの相談が169件で8割以上を占めていたそうです。
 また,新たに,長野県子ども支援委員会が設置され,いじめや体罰といった子どもの人権侵害に関する相談の場合,公平・中立な立場で調査審議するよう申し出ることもできます。委員会のメンバーは,臨床心理士や弁護士などです。
 「長野県未来を担う子どもの支援に関する条例」の制定については,長野県弁護士会子どもの権利委員会も協力してきました。
 その前文には,「子どもが,生まれた時から持っている育つ力を発揮して能動的かつ自立的に活動し,自らを大切に思う気持ちを持って自分らしく成長していくことができるよう,大人は, 子どもの力を信じ,支えていく必要がある。」と書かれています。
 誰にも相談できず,自殺をしてしまった子どものニュースを聞くと,弁護士としても大人の1人としても無力さを思い知らされ,悲しくなります。子ども支援センター等を通じ,悩んでいる子どもに大人が手を差し伸べることができ,自殺をしてしまう子どもがひとりもいなくなることを願っています。

(文責:匂坂)