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子の監護者の指定の審判について

1 子の監護者の指定の審判とは?

監護とは、子ども生活上の身の回りの世話をすることをいいます。

離婚した夫婦の間や別居中の夫婦の間で、父母の協議により子の監護者を定めることができますが、協議が調わない場合などは、家庭裁判所に子の監護者の指定を求める審判を申し立てることができます。

 

子の監護者指定の審判を申し立てた後、家庭裁判所調査官による事実の調査、審問期日における当事者の陳述の聴取、15歳以上の子の陳述の聴取などが行われ審判がされます。

子の監護に関する事項を決めるにあたっては、子の利益を最も優先して考慮しなければなりません(民法766条1項後段)。具体的には、監護能力、精神的・経済的過程環境、居住・教育環境、子に対する愛情の度合い、従来の監護状況の推移(主たる監護者はだれであったかなど)、親族の援助の可能性、子の状況(年齢・性別、心身の発達状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への適応性など)、子の意向、子と親の情緒的結びつきなどの事情が総合的に考慮されます。

子の監護者の指定の審判を申し立てることができるのは、父母のみです(民法766条2項)。

監護の実績があっても祖父母など父母以外の第三者には申立権がありません(最高裁令和3年3月29日決定)。

 

2 急ぐときはどうするか?

子の監護者指定の審判の確定を待っていては実現が不可能になるおそれがある場合に審判内容の実現を図るために保全処分が認められています。

保全処分を併せて申し立てることで、早い時期に双方の期日が同一日で指定され、かつ、早い時期に事実の調査などがなされるメリットがあります。保全処分では、本案の認容の蓋然性と保全の必要性が審理されます。保全の必要性については家事手続法157条1項に「子その他の利害関係人の急迫の危険を防止するため必要がある」と規定されており、これは、子の福祉が現に害されており早急にその状態を解消する時等、本案の審判を待っていては目的が達成できないような急迫な状況がある場合(平成15年1月20日東京高裁決定)を指します。

 

3 共同親権制度が始まるとどうなるか?

ところで、令和8年4月1日から離婚後に父母双方を親権者と定めることができようになります。

共同親権下の父母は、原則として、子の身上監護に関する重大な行為(居所の決定、心身に重大な影響を与える医療行為の決定、進路等)について共同して決定する必要がありますが、共同親権下であっても父母の一方が監護者として指定された場合には、上記の重大な行為も含む子の身上監護全般について単独で決定することが可能となります。父母の協議が調わない場合などは、家庭裁判所に子の監護者の指定を定める審判を申し立てることができます。

 

4 まとめ

弁護士を代理人として子の監護者の指定の審判・保全処分を申し立てることができます。

迅速かつ適切な申し立てにより、子どもの健全な成長や福祉を守ることができますので、ぜひ弁護士をご活用ください。

弁護士法人長野第一法律事務所には、子どもの事件に経験豊富な弁護士が在籍しています。ぜひご相談ください。

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