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結合商標の類比判断に関する知財高裁令和7年10月30日判決
結合商標というものがあります。
本願商標は右側にけやきの樹をかたどった図形、右側に「牛たん けやき」「KEYAKI BEEF TONGUE」と文字で記載されているものです。
引用商標は、上にけやきの樹をかたどった図形、その下に「KEYAKI」「JAPANESE CUISUINE」と記載されその下に「欅」と漢字で表記されたものです。
特許庁が、本願商標は先願商標に類似するとして登録を拒絶したため、出願者が訴訟を起こしました。
知財高裁は、結合商標の類比判断について、一般的な基準を述べた上でその基準に本件事案をあてはめて、類比判断を行い、結論として、類似していない(特許庁の判断は間違い)としました。
「結合商標につき、その構成部分の一部を抽出して当該部分を他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許される場合においても、分離して観察される部分の出所識別標識としての機能には自ずと強弱があるのであるから、一律に当該部分だけに着目して商標の類否を判断するのは相当でなく、当該部分の出所識別標識としての機能が弱い場合においては、他人の商標と外観、称呼及び観念の全てが一致しているときは格別、そうでないときには、他の構成部分も考慮した上で、対比される両商標が、全体として、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かを判断するのが相当である。」
結合商標については、商標の構成部分の一部分を分離して対比に用いることは原則として許されないとされていますが、一定の場合には認められると考えられています。
その具体的な「一定の場合」がどういう場合なのかは必ずしも明確ではありませんが、本判決は「商標の構成上の一体性が希薄であり、その部分が独立して出所識別標識としての機能を果たす」場合をあげています。
次に分離した部分についての「識別力」を検討して、それが「弱い」場合には、他の部分も考慮して全体的に似ているかどうかを判断するというものです。
まとめると
分離の可否⇒分離部分の識別力の検討⇒識別力が弱い⇒他の部分も考慮して全体的に類比を判断
ということになります。
他の結合商標についても参考になる判例かと思います。