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中古住宅の購入、売却とホームインスペクション
資材等の値上がりで、新築物件ではなく中古住宅の購入をしようと考える人もいるようです。
中古住宅の購入にあたっては、「ホームインスペクション」という制度があります。
ホームインスペクションとは、簡単にいえば「住宅の検査」です。
専門の資格(既存住宅状況調査技術者の資格を有する建築士)を有する技術者が、国の基準に従って、中古の建物に不具合がないかを確認して、状況を報告書にまとめるというものです。
平成30年の宅建業法改正により、宅建業者は一定の場合に、売主・買主にホームインスペクションのサービスのあっせん(紹介)の可否を告知してあっせんしたり、重要事項としてその結果を説明することなどが義務づけられています。
ただ、宅建業者は、契約を成立させることで手数料を得る関係上、契約当事者がホームインスペクションを希望しても、やんわりと断ったり「必要ない」などとして、実際にはホームインスペクションを実施しない方向に動きがちであるという懸念も指摘されており、国交省の調査でも、法改正後のホームインスペクションの実施率は低調であるという実態があります。
ホームインスペクションには一定の費用がかかりますが(6万円程度~)、問題のある物件を知らずに購入したり(買主)、売却して後で買主とトラブルになったり(売主)するリスクをかなり軽減できるという大きなメリットがあることから、費用がかかっても行った方が安心といえます。
そこで、令和6年4月には、買主や売主が宅建業者(媒介業者)と締結する媒介契約書において、ホームインスペクションのあっせん(紹介)が「なし」の場合には、その理由を記載することを義務づけています。
国交省では、「活用の手引き」を作成していますので、中古住宅の売却、購入を検討される方は、売買の契約締結前にホームインスペクションの実施を検討してみてはいかがでしょうか。