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株式会社の最高意思決定機関~株主総会~

 株式会社の持ち主は誰でしょうか。

社長でしょうか?はたまた従業員でしょうか?正解は、株主です。そして、株主が集まって行われる株主総会は、会社の最高意思決定機関であるとされています。

毎年6月頃になると、多くの会社で株主総会が開かれ、報道されることもあります。そのため、株主総会という言葉自体は馴染みのある言葉かと思います。

では、具体的に、株主総会とはどのようなものなのか、見ていきたいと思います。

 

1 株式会社に置かれる組織

 すべての株式会社には、株主総会と取締役が置かれます。株主総会では、会社の基本的な意思決定が行われます。

 そして、会社を運営していくための意思決定は、株主総会で選ばれた取締役が行っていくことになります。例えば、日々の契約を行う場合でも株主総会が必要となれば、多大な時間と労力がかかり、会社の運営に支障が生じるため、日常的な意思決定は取締役が行うこととされているのです。

 また、取締役会という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。会社を舞台にしたドラマなどでは、偉そうにふんぞり返った「専務」や「常務」が一堂に会して主人公を詰問するような場面もありますが、その会議体が取締役会と考えていただければ分かりやすいかと思います。

   取締役会は、法律では設置が義務付けられていませんので、取締役会が存在しない株式会社もあります。

 このほかに、監査役、会計監査人、監査役会など様々な組織を置くことができるとされていますが、このあたりまで行くとやや細かい話になりますので、今回は割愛します。

 

2 株主総会の開催方法

 株主総会を開くためには、まず取締役が(取締役会設置会社の場合は、取締役会の決定を経た上で代表取締役が)株主に対して招集通知を発送することが必要です。招集通知に書くべきことや、招集通知を発送する期限は法律で明確に定められています。この定めに反した場合には、株主総会で行った決議が取り消されたり、無効となったりすることがあります。

 開催時期や開催場所については法律で定められていませんが、株主が出席しやすい日時と場所を選ぶことが必要とされます。仮に一部の株主の出席を妨げる目的で日時や場所を決定すれば、それが原因で株主総会の決議が取り消されたり、無効となったりすることがあります。

 株主総会では、会社からの報告や議案の説明があった上で、決議を行います。決議は、原則として、過半数の株主が出席し、出席した株主の過半数の賛成により成立しますが、特に重要な決定(組織再編など)については更に多くの割合の賛成を要するなど、決議の成立要件が限定されています。

 株主総会終了後は、議事録の作成や保管が法律上義務付けられています。

  中小企業では、株主総会が実際には開催されていないのに、書類上だけ開催されているようになっているときがありますが、後日、なにか問題が起きたときにその点が顕在化して大きな問題になってしまうときことがあり、そのようなやり方はおすすめできません。

3 株主総会決議の無効・取消

 先ほど述べましたように、株主総会の招集手続きや開催方法によっては、株主総会の決議が取り消されたり、無効となったりすることがあります。

 この取消や無効を主張する場合は、裁判所に訴えを起こすことが必要となります。取消については訴えを起こせる期間が決まっており、その期間を過ぎると無効の主張しかできなくなります。ところが、無効はその根拠となる事由が厳格に判断されることになっているため、一筋縄ではいきません。

   そのため、株主総会の決議の取消を主張したい場合は、早めに行動を起こすことが不可欠です。

 

 

 当事務所では、株主からのご相談はもちろん、株主総会を問題なく実施したいという会社のご相談もお受けしております。

   株主総会の運営や決議について疑問などがある場合は、ぜひ当事務所にご相談ください。(坂井田)

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