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投資取引のトラブルと投資まがい詐欺

 銀行にお金を預けていても、利子がほとんどつかない時代が続いています。

 また、国は「貯蓄から投資へ」とのスローガンのもとに、投資を勧めています。

 投資をしなければならない、もっと言えば投資をしない人は時代遅れであるかのような社会情勢になりつつあります。

 しかし、投資は必ず儲かるものではありません。さらに言えば、銀行預金のように元本が保証されるわけではなく、損失を生み出す可能性も低くありません。

 あなたの大切なお金を出す前に、投資にまつわるトラブルと投資まがい詐欺についても知っていただければと思います。

1 投資取引のトラブル

 一口に投資取引と言っても、様々な種類があります。株式取引や投資信託、外国為替証拠金取引(FX取引)、くりっく365などはお聞きになったことがある方も多いと思います。他にも為替デリバティブ取引、CO2排出権証拠金取引、金地金分割払取引など様々な種類の取引があります。

 このような投資取引を行う際、証券会社などに口座を作り、担当者とやり取りをしながら取引を指示することがほとんどです。このやり取りにおいてトラブルが生じることがしばしばあります。今回は、その一部をご説明します。

(1)適合性原則違反

 投資取引を行うにあたっては、十分な知識、経験、情報などをもとに適切な判断を行う能力が不可欠であるとともに、投資を行うだけの財産を有していることも必要です。

 投資取引の中には、その仕組み自体が複雑であったり、先行きを見通すことが極めて困難であったりするものもあります。そのような商品を、投資取引を始めて間もない方に勧め、結果として損失が発生する、ということもあります。

 この場合、勧誘する事業者にも責任はありますが、仕組みやリスクについて十分に理解しないままに漫然と投資を行った場合には顧客側にも過失があると裁判所に判断され、大幅な損害賠償の減額(過失相殺)がなされる可能性があります。

 トラブルを防ぐためには、取引を事業者任せにするのではなく、自身で判断できる知識や経験を身につけていくことが必要です。

(2)説明義務違反

 投資取引において必要な判断を行うには、その基礎となる情報を収集することが不可欠です。
 しかし、一消費者である顧客が十分な情報を集めることは困難です。一方で、事業者は、投資取引を専門にしている組織です。そこで、事業者は、顧客の経験や知識に即して十分な情報を提供して説明する義務があるとされています。

 事業者は、十分な説明をしたことを裏付けるため、顧客に確認書といった書面の作成を求めることがあります。この確認書などには、顧客が事業者から十分な説明を受け、その説明を理解した上で自身の責任で投資取引を行う、といったことが記載されています。事業者から、確認書を書いてもらわないと取引を進められない、などと言われて、説明内容をよく理解しないまま確認書を作成してしまい、のちにトラブルになるケースもよく見られます。

 トラブルを防ぐためには、説明が理解できない場合は取引を行わない、説明が理解できるまで質問するなど、慎重な判断が必要です。

(3)頻繁売買

 事業者は、顧客が行う取引に伴って発生する手数料により収益をあげています。それゆえ、なかには不必要な売買を繰り返させることで手数料稼ぎを行うケースもあります。

 このようなトラブルを防ぐためには、事業者の言いなりになって取引を行うのではなく、取引の内容や必要性をその都度十分に理解して取引を行うことが必要です。

2 投資まがい詐欺

 近年、投資まがい詐欺も頻発しています。
 投資まがい詐欺は、見かけ上は投資のようにみえますが、実際には単なる詐欺としかいいようのないものです。
 本稿では、投資まがい詐欺の中でも典型的な例であるポンジ・スキームについてご紹介します。

(1)ポンジ・スキームの仕組み

ポンジ・スキームは、好条件での配当が得られるなどと勧誘し、投資名目で出資金を集めますが、実際には運用されず、集まった出資金の一部を出資者に配当との名目で渡す、という仕組みです。出資者から見れば、配当名目でのお金が一時的には手元に入るため、本当に好条件での配当が得られると信用して、どんどんと出資してしまいます。

しかし、先の説明のとおり、運用はしていないので、配当に回すような利益も発生しません。単に、ある出資者から受け取った出資金の一部を他の出資者に渡しているに過ぎません。したがって、当然のことながら、いつかは必ず破綻します。

 詐欺師は最初から破綻することを織り込んでおり、多額のお金を集めたところで逃げてしまいます。 こうなると、お金を取り戻すことは至難の業です。

(2)ポンジ・スキームの被害

ポンジ・スキームのよくある説明としては、

①元本保証があるので安心(元本保証ができるのはごく一部の金融機関のみであり、この説明自体が虚偽です)

②かなりの好条件での配当がある(銀行利息の数千倍の利率が提示されることもあります)

③知人などを紹介すると紹介料がもらえる

といったものがあります。

 これほどの好条件での投資が本当に存在するのであれば、この投資を知った人は誰にも言わずに莫大な利益を得ようとするはずです。わざわざセミナーなどを開催してライバルを増やすようなことはしません。

 投資まがい詐欺の事例で、詐欺師と連絡がつかなくなってしまったような場合にお金を取り戻すことは弁護士を依頼しても、簡単ではありません(いくつかの条件がそろった場合には回収できることもあります)。
 詐欺師が行方をくらませてしまい、お金を海外などに隠されてしまえば、お金を取り戻すことは非常に難しいです。

 早期に被害に気付くことができれば、出してしまったお金を取り戻せる可能性が高まります。上記の例に当てはまるような説明を受けたなど、少しでも怪しいところがある場合は直ぐに長野第一法律事務所にご相談ください。(坂井田)

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