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インターネットへの書き込みの削除請求

今回の記事では,書き込みへの対策として,名誉や信用等を侵害する書き込みに対する削除請求に関して説明します。

 1 削除請求の相手方

  削除請求の相手方は,①投稿者,②サイト管理者,③サーバー管理者になります。

  ①の投稿者が明らかな場合は,投稿者に対して削除請求することが可能です。また,損害賠償請求と併せて削除請求を行うことも可能です。

 他方,①投稿者が明らかで無い場合は,②サイト管理者や③サーバー管理者へ削除請求をすることになります。

 匿名掲示板への書き込みは,通常投稿者が不明ですので,一般的には,②サイト管理者への削除請求をすることが多いです。ただし,削除請求を拒んでいる場合を除き,損害賠償請求を併せて行うことは困難です。

2 書き込みの掲載サイトによるフォームを通じた削除請求

  各サイトのお問い合わせから削除を求める方法です。
  比較的簡単な方法であり,時間もあまりかかりません。
 ただし,削除するかどうかはサイト管理者による判断となるため,確実に削除される訳ではありません。放置されることもあります。

 また,損害賠償請求をする場合に,証拠が失われてしまう可能性があるので,損害賠償請求を視野に入れているようでしたら,削除請求前に弁護士にご相談ください。

3 迷惑防止措置依頼書での削除請求

  「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」というプロバイダ責任法ガイドライン等検討協議会が作成した書式で請求する方法です。

 多くのサイトがこの方法による削除に応じます。
 ただし,手続に1ヶ月程度かかります。

 侵害された権利や侵害されたとする理由などをきちんと記載する必要があるので,弁護士に依頼した方が良いでしょう。
 

4 削除仮処分

  自己の人格権(人格上の利益,例えば名誉等を保護するための権利)等に対する侵害を防ぐために,裁判所を活用して削除を求める方法です。
 具体的には,サイト管理者等に対して「投稿記事を仮に削除せよ」という裁判所の命令を求めるものです。裁判所が最終的な判決を出す前に,仮の地位を求める処分なので,仮処分と言われます。

 上記依頼書でも削除に応じない場合には,提起する必要があります。

 裁判所が削除決定を出すと1~2週間で削除されることになります。なお,削除決定により目的は達成されるので,判決を求める裁判は行いません。

 仮処分は専門的な手続のため,弁護士に依頼しないと困難でしょう。

5 その他の削除請求

  上記の方法でサイトから削除されても,検索結果やオートコンプリート(検索ワード候補として自動的に表示される機能)に残っている場合もあります。

 これらの削除も希望する場合は,検索サイトのオンラインフォームから削除請求することで対応することが可能です。削除請求に応じない場合は,削除仮処分などを行う必要があります。

  
 削除請求に関する簡単な説明は,以上になります。具体的にどのような手段を採用すべきか,または,削除のためにどのようなことを主張していく必要があるのかは,長野第一事務所にご相談ください。

 
  
            

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