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前受金方式の割賦販売にご注意

時事通信の記事です。
 
無許可で割賦販売疑い「きもの松葉」社長逮捕 奈良県警

商品の代金を複数回に分けて前払いさせる割賦販売を無許可で行ったとして、奈良県警は29日、割賦販売法違反容疑で、呉服専門店「きもの松葉」を関西で展開する「松葉」(大阪市)の社長松葉将登容疑者(48)=大阪府富田林市西板持町=と財務部長田中保明容疑者(66)=兵庫県西宮市段上町=を逮捕した。
 松葉容疑者は容疑を認め、田中容疑者は「許可が必要とは知らなかった」と話しているという。
 逮捕容疑は昨年5月~今年4月、国の許可を受けずに10店舗で男女17人に対し、着物や貴金属など計約1672万円分を前払い式で割賦販売した疑い。
 割賦販売法では、前払いでの割賦販売による年間販売額が1000万円を超える場合、国の許可が必要としている。

引用終わり。

  
 割賦販売法違反とは,どういうことでしょうか?

 1 割賦販売法は,文字通り割賦販売(いわゆる分割払い)の取引を規制する法律です。

 2 分割払いは,日常的に行われている取引なのですが,悪用されると大きな消費者被害を生み出すことがあります。
  今回の件で問題となった「前払式割賦販売契約」はその典型です。
 
 3 前払式割賦販売契約は,商品を引き渡す前に代金を2回以上の分割でお客が支払い,後で商品を渡す取引です。
 30万円の着物を1万円ずつ先払いして,30ヶ月経ってから着物が引き渡されるという形です。
   普通の分割払い(例えばクレジットカードの分割払い)は,商品の引き渡しが先で,その後に支払いを分割で払っていきますが,その順序が逆になります。

   なぜ,この前払式割賦販売契約が原則として許可制なのかというと,前受金を預かったまま業者が倒産したり,夜逃げをして,お客さんの払った前払金(前受金)が還ってこなくなるケースがあるからです。中には,最初から商品を渡すつもりもないのにお金だけあつめて,計画的に倒産させるケースもありえます。消費者被害の典型的なパターンです。

 4 そこで,割賦販売法では,経済産業省の許可制として,厳格な審査を経た業者だけが前払式割賦販売契約を行えるようにしているというわけです(指定商品制,年間の販売額が1000万円未満のものは許可制の対象外)。
   また,許可だけでなく,消費者保護のために,①営業保証金の制度,②前受金の約2分の1の金額を供託等しなければならないという制度があります。仮に許可業者が破産等した場合には,そこから一定の配当を受けられるような仕組みになっています。

 5 分割払いは便利な仕組みですが,必要な許可を得ずに,うっかり前払式割賦販売契約を行ってしまうと,刑事罰が科されることもありますので注意が必要です。なお,法規制を「知らなかった」としてもそのことで責任が免除されることにはなりません。「法の不知はこれを許さず」という言葉のとおりです。

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