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政府の「知的財産推進計画2024」が公表されました

政府が2024年6月に「知的財産推進計画2024」をまとめて公表しています。

リンク先の政府HPに「概要」と「計画本文」が掲載されています。

副題が、「イノベーションを創出・促進する知財エコシステムの再構築と「新たなクールジャパン戦略」の推進に向けて」とされているとおり、この計画の中心は以下の通りとなっています。

 

1 知財エコシステムの再構築

  知財の創造→保護→活用→創造という循環的なプロセスとそれを担う人材に重点が置かれています。

2 AIと知的財産権

  AI技術の進歩促進と知的財産権の適切な保護が両立すること

3 海賊版・模倣品対策の強化

4 標準(国際標準)の戦略的活用の推進

5 研究開発人材育成 博士人材の活躍

6 クールジャパン戦略/コンテンツ戦略、日本の食、農産物の輸出強化など

 

 具体的施策の中で、わたしが個人的に興味を覚えた部分を以下、備忘としてメモしておきます。

 

農業・食品産業全体における知財マネジメント能力の強化に向けて、教育カリキュラムの検討やセミナーの試行を支援し、現場での取組に助言できる専門人材の育成・確保や、農業・食品産業関係者全体の知財意識向上を推進する。また、知的財産を有効に活用した企業等の表彰に向けた調整を進め、優良事例の横展開による農業・食品分野における知的財産保護・活用能力の向上を目指す。
(短期・中期)(農林水産省)

2024 年度内に、環境問題、ジェンダー平等、貧困問題等の社会課題を解決して豊かな社会の実現に取り組むソーシャル・イノベーター、特に、知的財産にまだ馴染みのないようなスタートアップや非営利法人、女性や若者などの多様なプレイヤーが、知的財産やビジネスに精通した専門家からなるチームによるメンタリング支援を受け、知的財産の活用を通じ、他者と共創によって社会課題を解決していくための事業を行う。(以下略)

(短期・中期)(特許庁)

弁理士・弁護士などの知財専門家をベンチャーキャピタルに派遣し、スタートアップに対する知財戦略の構築支援を強化する。2024 年度は、派遣先のベンチャーキャピタルを増やし、より多くのスタートアップの支援に繋げる。

(短期・中期)(特許庁)

クリエイターの適切な収益の確保に向けて、クリエイターが事業展開する際の契約作成などに関する課題について、弁護士等の専門家による個別支援を行う相談窓口の体制を強化する。
(短期・中期)(文化庁)

 

戦略的な海外ライセンスの実効性を確保するために、足下の国内における優良品種の取引や栽培技術の管理を徹底する。特に、オンライン取引の増加による非農業者の苗木の取扱拡大をはじめとする昨今の取引実態の変化といった新たな流出リスクに対応するため、優良品種の苗木の生産や取引を厳格に管理するシステムを充実させるとともに、苗木業者等の意識・管理能力の向上などの知財人材の育成等を推進する。このほか、育成者権者による管理や権利行使の実効性の向上に向けて、制度的枠組みの整備も含め総合的に検討する。
(短期・中期)(農林水産省)

農業・食品産業全体における知財マネジメント能力の強化に向けて、教育カリキュラムの検討やセミナーの試行を支援し、現場での取組に助言できる専門人材の育成・確保や、農業・食品産業関係者全体の知財意識向上を推進する。また、知的財産を有効に活用した企業等の表彰に向けた調整を進め、優良事例の横展開による農業・食品分野における知的財産保護・活用能力の向上を目指す。
(短期・中期)(農林水産省)

 

生成 AI における俳優や声優等の肖像や声等の利用・生成に関し、不正競争防止法との関係について、考え方の整理を行い、必要に応じ、見直しの検討を行う。また、他人の肖像や声等の利用・生成に関し、その他の関連法についても、法的考え方の整理を行う。
(短期・中期)(経済産業省、文化庁、特許庁、法務省、消費者庁)

 

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